2009年11月11日水曜日

メモリーの価格高騰

昨日、新しいノートPCを発注した。現在、妻と息子は一台のノートPCを共用していて、不便だとの事で、一台買う事になった。デスクトップも2台あるが、やはりノートPCが使いやすいために、デスクトップPCはDVD専用になっている。

詳細は別途書くとして、今回新しいPCを購入するに当たって、Windows7の64ビットバージョンを選択した。しかし、購入したPCには2GBのメモリだけなので、増設の2GBを買おうと思っている(オプションで増設できるが、少々高い)。そこで、eBayでメモリモジュールを探しているのだが、予想外に高い値段に驚いている。そこで最近のDRAM(以下ではDRAMとSDRAMは同じ意味で使っています)の相場を調べてみた。

今年前半には1ギガビットSDRAMの大口向けの価格が$1.12くらいだったのが、7月頃から上昇して9月までの3ヶ月の平均が$1.46、11月現在は$2.75にまで上がっているらしい。実際にeBayでノートPC用のSDRAMモジュールを調べた結果、2GBモジュール一つが50ドルもする。3月末に娘のMACBOOK用に買った時は、2GBモジュールが二つで45ドルだった。要するに倍以上の値段になっている。SDRAMの相場上昇と符号するではないか。

ここ15年くらいを遡ってみると、今までは、DRAMチップの容量自体は製造技術の進歩に従って、年平均で1.4倍に増えてきた。これは製造コストと密接に関係しているので、反比例して値段が下がってきた。しかし、それも2000年以前の話で、2000年以降は微細化技術が難しくなってきて、年平均で1.26倍に落ち、2006年以降は1.2倍程度との専門家の調査結果がある。
また同時に、PCのOSの成長(MS-DOS, Windows95, 98, 2000, XP, Vista)に伴う機能の拡張は、一層大容量のメモリを必要としてきた。即ち、PC+OSの成長と同時に必要なメモリ容量も増大してきたので、急激なメモリの値下がりは起きなかった。(十分に安くはなったと思うが)

ところが、近年はメモリの需要が伸びなくなっているのだ。ご存知の人も多いと思うが、一般に使われているWindowsXPやVistaなどは32ビットOSと言われている。以前から64ビット版も存在したが、2003 Serverなどのサーバ向けや、特別な用途でのみ使われていた。さて、この32ビットOSであるが、いくらメモリを増設しても3GB程度までしか認識してくれないし、WindowsXPであれば2GBもあれば十分に容量が足りるために、一般に売られているPCやノートは2GBが標準となり、増設しても3GB程度のケースがほとんどだった。その結果、メモリの需要が伸びなくなっただけでなく、金融危機のためにPCの新規需要が減ったために、昨年から急激な価格下落が続いていたのである。

DRAMの値段が暴落していた昨年末時点でも、2009年後半から上昇するだろうと業界では予想されていたが、予想以上の値上がりである。この背景は、勿論金融危機が一段落した事が大きいが、これからの上昇に関しては、PCがどれくらいのメモリを使うかに掛かっていると思う。

さて、10月からWindows7がリリースされた。このOSのベースは基本的にVistaと同じであるが、Vistaがあまりにメモリを食って、遅いOSだったために失敗作といわれていて、Windows7は、大幅にコードを書き換えて速度を改良したものである。実はこのWindows7からは64ビット版が標準になりそうなのだ。勿論互換性のために32ビット版も存在するが、大手ベンダーは64ビット版を標準としてインストールするようなので、素人の方は知らないうちに64ビット版に移行する事になる。

その結果、4GB以上のメモリが意味を持ち、沢山メモリを積めば、それだけPCが速くなると言う錯覚を一般庶民に抱かせる事になるのだ。(全く嘘ではないが、一般ユーザにはWindows7で4GBあれば十分と思う)
まるでデジカメの画素数競争のようになりかねない。ついでに言っておくと、デジカメの画素数は、PCで見たり、L判プリントするなら200万画素もあれば十分である。A4くらいに引き伸ばすなら800万とか1000万画素も意味を持つと思うが、そこまで大きくすると、画素数自体は足りても、デジカメの持つセンサーの性能としては不十分なので、一眼レフの品質が必要になってくる。即ち、小型デジカメの小さなCCDやCMOSセンサー(本当にびっくりするくらい小さい)を高解像度化しても何のメリットもないと私は思っている。
時々、友人から2MBを越えるデジカメで撮った画像がメールに添付されてきて驚く事があるが、多分、解像度設定が初期設定のままか、大きければ良いと思って設定されているのだろう。

話は戻って、PCのOSが64ビット化されると、搭載メモリ量が格段に増やされて、需要が増え、その結果価格が上昇を続ける事になると言うのが今後の予想である。

多分、来年はOSの64ビット化によって需要が増え始めるため、しばらくは価格上昇が続く可能性がある。ただ、2GBのDRAMチップの製造コストが下がってきているので、あるところで上昇は止まるのだろうと思うが、どうなる事でしょうか。

2 件のコメント:

ひゃっぽ さんのコメント...

いよいよ普通の家庭用PCにも64bitOSの波が到来ですねー。
増設メモリの値段が高い話を先日知人が嘆いてましたが
trimetalさんの記事を読んで高騰理由に納得です。

とりあえず今のノートはメモリが3GBあるので
特に不満はないんですけれど
個人用のPCを買うともれなく”駄作windowsがついてくる”ジンクスが現在も進行中でして・・・
Win3.1(共用)→Win95(共用)→Win98(共用)
→Me(個人)→XP(共用)→Vista(個人)

OSが原因の故障続きに泣かされたMeと比べると
Vistaはかなりマシですがこの後どうなりますか(汗)

trimetal さんのコメント...

ひゃっぽさん、

MeとVistaとは本当に不運でした。
でも、今3GBもあるなら、Vistaでも問題なさそうですね。
私の会社のノートPCは2GBでWindowsXPなんですが、VMWare+Widows7(RC)を走らせていますが、1GBのメモリ割り当てでも、そこそこ動きます。Windows7は良くなっていると思いますので、期待できます。