私は、日本にいた時から特に1Fにこだわりがなく、2F席の方が球の落ちた位置が見やすいので、どちらかと言うと2F席を使う場合が多かった。ここの練習場は、全体的になだらかに下っているので、1F席でも球の落ち場所が良く見える。これなら1F席の方が良いだろう。
で、今日の本題であるが、50球程打った辺りで、隣の席が空いた。そこへ、階段を怪しい足取りで下りてくるお爺ちゃん。アイアン二本にドライバ一本を持ち、ボールの入った籠を持って、ゆっくり一段づつ階段を下りてくる。もちろん、片手は手すりをしっかり握りながら。

さて、お爺ちゃんは打席にボールを置き、短いアイアンを素振りし始めた。下半身は殆ど動かない。もちろん、体重移動は難しそうだ。それでも、上半身だけで何とか50ヤードばかりの飛距離で練習を始める。多分、こんな感じで練習はできるだろう。だけど、本当にコースは回れるのか。もちろんカートに乗った上の話だが、5m歩くだけでも難儀そうなお爺ちゃんである。もしかしたら、練習だけ来て運動をしているのかも知れない。
そうこうしているうちに、お爺ちゃんはドライバを打ち始めた。もちろん、飛距離は100ヤード行けば良い感じで、上半身だけのゆっくりスイングをしている。それはそれで頑張っているなと思ったのだが、クラブに何か違和感がある。そう、シャフトとヘッドにビニールカバーがされたままなのだ。
新品のクラブは、シャフトもヘッドも透明なビニールのカバーがされている。アメリカでは、Plastic coverと言う。日本語のプラスチックと意味が違って、ビニールのコンビニ袋などもPlastic bagと言うくらいでビニール類の事は全てPlasticなのだ。
グリップだけは、カバーは剥がしているようだが、シャフトの下の方と、ヘッドはカバーされたままだ。お爺ちゃんは、このビニールカバーがされたままのドライバを振っている。モデルはTalormade r7 CGB Maxである。写真のようにヘッドのフェース面には紙も張られたままである(これは製品の写真で実際とは異なる)。これでは当然飛距離も出ないだろうが、そんな事はお構いなし。お爺ちゃんにとってクラブを振る事が重要なのだろう。
ここまでのお爺ちゃんは見たことが無かったが、コースに行くとラウンド前にお爺ちゃん、お婆ちゃんが練習している風景に出くわすが、下半身は動かないので上半身だけで、ゴロばかり打っている。それでも、カートに乗ってラウンドをスタートする。確かに、日本よりもラウンド時間が掛かる場合があり、このようなお爺ちゃん、お婆ちゃんが影響しているかも知れないが、そんな事は気にしないで堂々とゴルフをしている。これがアメリカの許容度の大きさなのかも知れない。私の妻などは、自分が遅くなる事に非常に神経質になっていたが、最近は少しリラックスして来たようだ。かといって、遅い事は決してよい事ではないので、できればスムーズなラウンドをして欲しいのは言うまでもない。
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