昨日、近くの練習場に行ったことはブログに書いた。日曜日の午後とあって練習場は満員。15分程まって打席に入る事が出来た。ここは打席が1Fと2Fになっていて、1Fはグランドよりも若干さがり、2Fは若干上がっている。私の席は1F席。混んでいない時でも1Fが埋まっている場合が多く、今までは2Fの打席しか使った事が無かった。この日は初めての1F席だ。
私は、日本にいた時から特に1Fにこだわりがなく、2F席の方が球の落ちた位置が見やすいので、どちらかと言うと2F席を使う場合が多かった。ここの練習場は、全体的になだらかに下っているので、1F席でも球の落ち場所が良く見える。これなら1F席の方が良いだろう。
で、今日の本題であるが、50球程打った辺りで、隣の席が空いた。そこへ、階段を怪しい足取りで下りてくるお爺ちゃん。アイアン二本にドライバ一本を持ち、ボールの入った籠を持って、ゆっくり一段づつ階段を下りてくる。もちろん、片手は手すりをしっかり握りながら。
歩くのもままならないような足取りで、階段を下りた後もゆっくりと一歩づつ前にすすむ。誰か介護が必要な感じを受けるお爺ちゃんである。この程度の人はアメリカでは普通にいて、補助を必要とするような人も多い。多分、体重が増えすぎたり、運動不足などで年齢と共に足腰が弱った結果だと思うが、まさか、ここまで歩くのが難儀そうな人がゴルフの練習に来るとは思わなかった。
さて、お爺ちゃんは打席にボールを置き、短いアイアンを素振りし始めた。下半身は殆ど動かない。もちろん、体重移動は難しそうだ。それでも、上半身だけで何とか50ヤードばかりの飛距離で練習を始める。多分、こんな感じで練習はできるだろう。だけど、本当にコースは回れるのか。もちろんカートに乗った上の話だが、5m歩くだけでも難儀そうなお爺ちゃんである。もしかしたら、練習だけ来て運動をしているのかも知れない。
そうこうしているうちに、お爺ちゃんはドライバを打ち始めた。もちろん、飛距離は100ヤード行けば良い感じで、上半身だけのゆっくりスイングをしている。それはそれで頑張っているなと思ったのだが、クラブに何か違和感がある。そう、シャフトとヘッドにビニールカバーがされたままなのだ。
新品のクラブは、シャフトもヘッドも透明なビニールのカバーがされている。アメリカでは、Plastic coverと言う。日本語のプラスチックと意味が違って、ビニールのコンビニ袋などもPlastic bagと言うくらいでビニール類の事は全てPlasticなのだ。
グリップだけは、カバーは剥がしているようだが、シャフトの下の方と、ヘッドはカバーされたままだ。お爺ちゃんは、このビニールカバーがされたままのドライバを振っている。モデルはTalormade r7 CGB Maxである。写真のようにヘッドのフェース面には紙も張られたままである(これは製品の写真で実際とは異なる)。これでは当然飛距離も出ないだろうが、そんな事はお構いなし。お爺ちゃんにとってクラブを振る事が重要なのだろう。
ここまでのお爺ちゃんは見たことが無かったが、コースに行くとラウンド前にお爺ちゃん、お婆ちゃんが練習している風景に出くわすが、下半身は動かないので上半身だけで、ゴロばかり打っている。それでも、カートに乗ってラウンドをスタートする。確かに、日本よりもラウンド時間が掛かる場合があり、このようなお爺ちゃん、お婆ちゃんが影響しているかも知れないが、そんな事は気にしないで堂々とゴルフをしている。これがアメリカの許容度の大きさなのかも知れない。私の妻などは、自分が遅くなる事に非常に神経質になっていたが、最近は少しリラックスして来たようだ。かといって、遅い事は決してよい事ではないので、できればスムーズなラウンドをして欲しいのは言うまでもない。
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